親父は年をとるごとに2種類へと分かれていく。嫌われる親父と、可愛がられる親父である。ストップ・ザ・熟年離婚を目指して頑張ってきた全亭協の会員達は、いわゆる可愛がられる親父を目指していると言っても過言ではない。
長い間、世間に発表してこなかったが、全亭協には「お返事三原則」というものが存在しているのだ。仕事のことはオーソリティでも、家庭内のことは皆目わからない亭主達に伝授し、ほぼ、100%、妻から可愛がられる亭主になったという検証結果が続々と寄せられている。
それは、「うん・へぇー ・わかった」という3つの言葉である。妻は、小言の名人であり、生活の知恵の天才でもある。したがって休みの日など、朝から晩まで、怒られたり、うんちくを語られたり、注意されたりする。「ダメよ、そんなとこで体を拭いちゃ!」「うん」。「これ、健康にいいのよ」「へぇー 」。「この石鹸使っちゃダメっ」「わかった」という具合である。反論や、疑問や説教は一切なしで、間髪を入れずに返事をすることがポイントだ。
話の中身などわからないでいい。何か命令らしきことを言ってるな、の時は、「うん」。美容や健康など生活の知恵的話の時は、「へぇー 」。そして、何か教えてくれてるのかな、の時は、「わかった」である。この、「うん・へぇー ・わかった」は心を入れる必要はなく、ことあるごとにどんどん使うことが肝要なのだ。なぜならば、全亭協9000人の会員の家庭内生存率が飛躍的に伸びた、魔法の返事だからである。
さぁ、子どもの時のように素直に返事をしよう。だって、親父は仕事以外のことは何にもわかっちゃいないダメ亭主ではないか(笑)。
さて、なぜこんなに自信ありげに公表するかといえば、会長である天野の実体験からきているからだ。ある時、愛妻がベロベロに酔っぱらって私に言った。「あなたは、顔は恐いけど、返事だけは可愛いのよねー。いつも母性本能をくすぐられちゃうのよ」「へぇー 」と返事をしたのは言うまでもない(笑)。
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全国亭主関白協会 会長 天野周一
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