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夫婦げんかの原因は大抵亭主がつくっている。だから喧嘩には絶対に勝ってはいけない。

 夫婦喧嘩の原因は、大抵は亭主がつくるもの。よもや愛妻が100%悪くても、絶対に勝ってはならない。後で5倍10倍になって返ってくるのがオチだからだ(笑)。従って全亭協では、「負けるが勝ち、ではなく、負けるが価値」と教え込んでいる。小さな夫婦喧嘩は、大抵の場合、意見が食い違う事から始まる。「確か前は、こう言ってたよね」などと反論すると、「あら、そう」と返ってくる。これは漢字で書けば「争う」であり、後には引かないわよのシグナルだ。
我家の場合は、「ちょっと、あなた」とリビングに呼び出される事が合図である。ソファーにでんと座っている愛妻の側に行くのに足がもつれそうになるが、この時の為に5段以上は、スリ足の練習をしている。江戸時代に、殿様が、「ちこう寄れ」と言った時、ヒザの上に手を置き、腰をかがめ、ズリズリと前に進む姿勢である。これなら自分の左足が右足に絡んで転倒する事だけは避けられるのだ。無事に妻の側に近づく事ができたら、絶対に対面に座ってはいけない。
この位置は、手や物が飛んでくる位置であり、危険この上ない。従って、会員には、必ず隣に座る事を推奨している。そう、横に並んで同じ方向を見る事が肝要だ。恐い目を見ないですむし、恐怖で引きつった顔を見せないですむメリットもある。勇気があればの話だが、妻の手をそっと握って、「ごめんね」と言おう。これで妻の怒りの20%は収まる。わずか20%であっても亭主の家庭内生存率は高まるものだ。別名、白旗攻撃"と命名されているが、負けを認めているのではなく、負けるが価値を知っているからである。だから何なんだと言われれば、それまでの話ではあるが。




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