フリーマガジン 『Rino』 で大人気連載中の会長執筆のコラムをご紹介いたします。


家庭内のヒエラルキーは愛妻、娘、ペット、亭主である。四番目と嘆いてはいけない。まだ家族だ(笑)。

 愛妻は武田信玄の末えいである事はほぼ確信している。手の早き事風の如く。ふたりっきりの食事の静かなる事林の如く。ちょっとした事で怒る事、火の如く。何を頼んでも動かざる事、山の如しである(笑)。とは言え、本当は優しいのだ。ペットに。家庭でのヒエラルキーだが、亭主は四番目の位。愛妻、娘、ペット、亭主。自覚はしていたが、ある時、熱を出し寝込んだ事があった。「熱がなかなか下がんなくてね」「そうなのよ、元気がないから心配してたの」やはり、いざという時は超絶優しい。「よし、やっぱり病院に連れて行くわ」ほらね。これが愛妻の本性である。「じゃ、着替えるね」「何が」。会話がお笑いのアンジャッシュのように、微妙にすれ違っている。「何がって病院に行くんだろう」「いやいや、猫ちゃんよ。2、3日前から食が細いのよ」。って、素敵な勘違いにポッ。「あなたはこれを被ってなさい」キャベツをひと皮剥いてくれた。「いやいや、これ、何のおまじない?」抵抗するヒマもなく、頭に被せられたのだ。キャベツの皮を頭にキャップのように被せられた図。もはや、コントであろう。ところが、驚いた。眠りから覚めると、嘘のように熱が下がっていたのだ。「キャベツって凄いね」「何かの本で読んだのよ。あらやだ、本当に治ったの」ってどうよ(笑)。動物病院は数千円かかるだろう。私はキャベツ一枚。けちではないと思う。ペットには惜しげもなくお金を使ってらっしゃるし。ただ、愛情の質が少しだけ違うのだろう。私には、病院や薬などに頼らないで、自然治癒力を高めなさいという、高度な愛情を感じている。夜のおかずは、手間暇がかかると、滅多にしない、ロールキャベツであった。



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