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世の中には恐いものがたくさんある。が、愛妻の「ハイ」ほど恐いものはない。日常生活の中で、亭主が何かを頼んだとしよう。返ってくる言葉は「ハァ〜!?」が普通だと思っていた。ところが、「ハイ」なのだ。 思い起こせば、愛妻の「ハイ」は進化を遂げている。あの頃はよかった。私のああしよう、こうしように、「ハイ」が返ってきた。ふと気が付くと、「ハイ」は、「ハイ、ハイ」と2回になっていた。ひとつ目のハイの後のハイは、「何、言ってんのよ」的ニュアンスが含まれていたのだとようやく気付いたが遅かった。 なぜならば、いつの頃からか、「ハァ〜!?」になっていた。私の「お茶をお願いネ」に、「ハァ〜!?」なのだ。「ハ」の後に「ア」がはっきりついて伸びている。憶測ではあるが「ハァ〜!?」は「自分で入れりゃいいじゃない」と理解するのが、正解であろう。この、「ハァ〜!?」のおかげで自分の身の回りのことがほとんど出来るようになったのは実にありがたいことではないだろうかっ。 ところが、つい最近の出来事である。「肩が凝るんだよね〜、ちょっと肩揉んでくれる」と言ったら、「ハイ」である。ギョッ。そこはお約束の「ハァ〜!?」でしょう。というわけで余計に肩が凝ってしまったりする。
話はゴロリンと変わるが、男のストレス解消は、飲む、打つ、買う、と昔から相場が決まっていた。が、今時、そんなことをしていたら、即、三行半候補と断言しておこう。そのかわり、女性のストレス解消が台頭してきた。食べる、しゃべる、買う、なのだ。この三つを充分満足して頂ければ亭主として合格なのであろう。 だからではないだろうが、私の五百円玉貯金が貯まったころ、「ハイ」が多くなる気がしてならない。一日中、買い物に付き合わされた上、食べながら、しゃべるしゃべる。だが、これで愛妻のストレスも解消。しばらくは静かな日々が続くというものだ。 亭主達よ、妻から「ハイ」が出た時は、近い将来、もの凄い出費を余儀なくされることを覚悟しておこう。
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