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「愛の三原則」はやがて、ノーベル平和賞にノミネートされるだろう。

 全国亭主関白協会の愛の三原則は、全国へ、そして全世界へと広がりつつある。
「ありがとう」をためらわずに言おう。
「ごめんなさい」を恐れずに言おう。
「愛してる」を照れずに言おう、だ。

 大きな声では言えないが、全亭協に有名な司会者や、人気俳優が次々と入会しており、やがて彼らが様々な番組や、ドラマの中で愛の三原則を何気に言ってくれることになるはずだ。家庭内でこの三つの言葉が頻繁に出るようになれば、それだけで夫婦関係に潤いが出てくるし、家族の絆が復活する。

 なあに、最初は心など入れる必要はない。気持ちは後からついてくる。しかも、亭主が気楽に使えば、家庭内に奇跡が起こる。東京のある会員から、「お茶を飲みたいなぁ」と心に思っただけで、本当にお茶が出てきました。その効力にただただ驚いた、とメールがきた。食事が終わって自分で冷蔵庫から取り出して飲む、ペットボトルのお茶ではなく、あの、フウフウ言って飲む、熱々のお茶である。その昔、テレビのホームドラマで見たような気がする、急須から注ぐ、湯気の出るそれである。って、「普段、どんな生活を送ってるんだよっ」とツッコミを入れたくなるだろうが、これが現実だ。

 夫婦が冷めきっていく過程のひとつに、妻の、「夫改造願望」と、夫の「亭主関白願望」のせめぎ合いがあるのだ。つまり、相手を変えたい、変えようとする心が、喧嘩の原因にもなっていく。もし、亭主が、自分が変わろうと考えた瞬間、家庭内に会話と笑顔が必ず増える、と断言しておく。

 そんなこんなで、愛の三原則は、国内はもとより、全世界に波及していくだろう。そうなればノーベル平和賞にノミネートされるだろうが、私はきっぱり断るつもりだ。それは、ゴミ出し、風呂掃除、食事の後片付けはもとより、先月から洗濯の分担が増えたからである。もはや、表彰式に出席する時間すらとれない状態なのだ。「人間、偉くなったらおしまいよ」を常日頃から教えてくれる愛妻に、心から「ありがとう」を言わせて頂きたいっ。



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