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 男なら、飛行機のマイレージを貯めるより、「愛のマイレージ」を貯めるがお得。

 マイレージを貯めるのが流行だそうだ。が、私の貯めている「愛のマイレージ」に比べればたいしたことはない。マイレージはお金で買えるが、「愛のマイレージ」はそうはいかない。全国に散らばる全国亭主関白協会の会員だけがせっせ、せっせと貯めているポイントで、一般の人々にはあまり知られていない。そう、愛妻の笑顔(スマイル)をひと月に何回引き出せたかを貯めるものだ。

 毎月の定例会では、「今月は2マイル頂きました」あるいは、「今月も0でした」などと発表し、「ほう、君は今年になって20マイル貯まっているじゃないか。じゃあ、5マイル使って、今日は午前様でもオーケーだな、うらやましい」などと羨望の眼差しを受けたりする。

 若い頃はよく笑っていた愛妻も、年月がたてば笑顔が少なくなっていく。全亭協では、愛妻のスマイルが少なければ少ない程、熟年離婚の危機は大きいと睨んでいる。

 その逆で、「愛のマイレージ」を貯めれば貯める程、亭主が思わぬ失態をおかしても許される率が多いとされているのである(笑)。
 しかし、愛妻から笑顔を頂くのは至難のワザで、素人がスケート靴を履いて、イナバウアーを演じるようなものだ。

 ここまで読めば、「情けないオヤジ達よのう」と感じる読者が多いだろう。それには、イエス、アイ、ドウ。と答える以外にはない。

 ただ、愛妻は更年期障害の真っただ中。軽いうつ病で、なにかとふさぎ込む日々。何かに怯えているような不安げな目。名もなき通りすがりのアホ亭主には、肩を抱いたり、そっと抱きしめてやることぐらいしかできないもどかしさ。愛妻の笑顔を見るだけで一日が幸せな気分だ。

 ある時、愛妻が、
 「ごめんね、迷惑かけるネ」とポツリ。
 そんな時は、私はそっと手を握りしめて「いや、僕としてはずっと治んない方がいいんだよね。その方がおとなしくて、恐くないもん」
 「クスッ」
 ほら、ワンスマイル頂きだ。

 女性の心と体は複雑であまりにもナイーブ。関白道の4段以上ならそのことが良くわかっている。って天野のイメージアップかよっ!



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