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その昔、男は仕事だけすればよかった。その結果、男はバカ、および、ほぼバカの2種類に分類されるようになった。それは、女の本質や家庭内のことを全く知らずに生きてきたツケである。
若い男は、女のいいなりで、定年になれば離婚されるという時代になった。そんな時代を憂えて設立されたのが、「全国亭主関白協会」。世の中のために何の役にも立っていないが、いずれ脚光を浴びることになるだろう。なぜならば、女から捨てられないためのノウハウが蓄積されており、全国に散らばる9名の会員はあらゆる難局を無事乗り切っている。ところが全亭協の唯一の欠点は「私は全亭協の会員である」と胸を張って言えないことにある。そう、隠れキリシタン状態だ。
例えば、出会い系サイトで知り合って結婚したふたりが、披露宴の席上で馴れ初めを聞かれた時、「インターネット関連の仕事を通じて…」などと答えるのに似ているっぽい。そんなこんなで設立してかれこれ5年も経つというのに会員がちっとも増えないのはいかんともしがたい。
特典とは言い難いが、会員になると段位の認定証が授与される。関白道の有段者として、「無段者」に見せびらかすことが出来るし、キャバクラなどでそっと差し出すと、ビミョーにもてたりするが、会員の中で、家に飾る勇気のある者が、皆無とは情けないではないか。愛妻に見えるところにちゃんと飾ることが出来れば八段という、上級クラスに上がれるというのにもかかわらずだ。私?私は仮にも全亭協の会長である。そんな恐いことが出来るくらいなら、ゴミの分別などしてはいない。しかも風呂掃除、食事の後片づけなどが日課に組み込まれていて、これ以上仕事を増やされたらどーすんの状態である。もっかの楽しみはベランダでの一服と500円玉貯金。断って置くが愛妻が恐いのではない。心から尊敬し、愛しているからなのだ。
本号を愛妻が読まないことを心から願っている天野ではある。
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