フリーマガジン 『リセット』 で大人気連載中の会長執筆のコラムをご紹介いたします。


 『冷蔵庫』

 女を語る時、どうしても外せないアイテムがある。それは、冷蔵庫。冷たい女が多くなった、ということではない。冷蔵庫の中を覗けば女の全てがわかるからだ。

 結婚して、「こんなはずじゃなかった」は、つきあっている最中に女の家の冷蔵庫をチェックしていなかったツケであり、女の本質を見抜けなかったしっぺ返しである。

 そこで、全国亭主関白協会では、独身男性に注意を促している。

 デートを終えて家に送り届けると、大抵の場合、家族と住んでいるか、一人暮らしだろう。まれに、弟と称する男と同居している女がいるが、弟なのにどうしても年上にしか見えないのはいかがなものか。

 さて本題に戻る。 冷蔵庫の中は、女の心の中、人生の過去と未来がギッシリ詰まっている。「フィアンセが家族と住んでいるなら、冷蔵庫は母親のテリトリーだから、彼女の中身じゃないだろう」と疑問に感じるだろうが、キミの彼女はやがて、母親と同じになるのだから、心配はいらない。一人暮らしの彼女の冷蔵庫と全く同じと考えていい。扉を開けると様々なものが目に飛び込んでくるはず。第一のポイントは、整理整頓。部屋がどんなにキレイでも冷蔵庫の中がぐちゃぐちゃであれば、キミが来るから、あわてて掃除しただけで、本質はズボラである。開けた瞬間、変なニオイがすればセンスがない女、これは太鼓判。

 もし、腐ったものが入っていれば、キミは永久に出世できない。万が一、缶詰めがポロリと入っているだけでスカスカであれば、すぐ別れた方がいい。彼女は男だ。いわんや、ビールがズラリ並んでいれば、やがてキッチンドランカーになるのは目に見えている。その逆で、冷蔵庫をチェックして、その場でプロポーズしなければならない場合がある。ジャンル別にキチッと整理されており、昨日の夕食の残りをラップした物が、4段目に並んでいる。それが煮付けた魚であれば、完璧だ。野菜室を覗けば、半分使ったネギがレタスやブロッコリーの上に斜め45度に置いてあり、まだ瑞々しいのがグッド。もっとも最上質は、扉か側面に、冷蔵庫の中身を書いたメモがマグネットで2枚程貼ってあるなら、しかもマグネットが、ニンジンかピーマンの可愛いやつならその場で押し倒そう。

 全亭協では、これらのチェックポイントを小雑誌にして200円で販売しようとの試みもあったが、会長の偏見が入り過ぎているという意見が大勢を占めて、実現しなかった。

 厄介なことは、冷蔵庫の中身は、自分の中身であることを本能的に知っている女たちが、冷蔵庫の中を見られることを極端に恥ずかしがることである。

 さて、開けると必ず、何かが落っこちてくる我が家の冷蔵庫は、愛妻のどんな本質を物語っているのであろうか。ひょっとして、「あなたは我が家から、はみ出している人間なの!」を暗示している、ならとっても恐い。



 戻る