フリーマガジン 『リセット』 で大人気連載中の会長執筆のコラムをご紹介いたします。


 女が人から言われたくない言葉の、ナンバーワンは「おばさん」である。

 人は見かけによらぬもの」という諺があるが、全亭協では、『女は見かけによらぬもの』が定説となっている。

 一見、セクシーで女らしく、ナヨナヨしていそうだからと調子にのって口説いたりすると、ひと皮剥けば男のような性格で、

「てめえ、調子こくんじゃねえ」的セリフが飛んできたりする。かと思えば、

「私はさっぱりして、男のような性格なのよねぇ」と日頃からアピールしていらっしゃるから、『こりぁ、後腐れなさそう』と口説いたりすると、とんでもないストーカーぶり。で、『どこが男っぽい性格なんだよー、ネチネチ度100点満点じゃん』と嘆くことになったりする、らしい。いずれにしろ、困ったもんである。何が?。

つまり、女が自分で言った言葉を簡単にうのみにしてはいけないのだ。

「私なんか、もうオバさんだからぁ」にうっかり相槌をうって、何かの拍子にオバさんと呼んでみようものなら、ムッとした顔で、

「何がオバさんよ!あんたに言われたくないワ」と必ず返ってくる。

 先日、とんでもない光景を目の当たりにした。

 子供達が公園でバスケットボールをしていた。

 足元に転がってきたボールを、いちいち拾って投げ返していた愛妻は、子供達の

「ありがとう」に、

「いいのよオバさん、こう見えても昔はバスケやってたんだから(笑)」

次に転がってきた時、

「オバさん、ごめんなさーい」と声がかかった瞬間、ボールは完全に無視され、遙か彼方に転がっていった。小さな声で、

「何がオバさんよ!」という言葉を私は聞き逃さなかった。

 かくして「オバさん」というフレーズは、女が人から言われたくない言葉NO、1として、全亭協の公式記録に認定されたのである。



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