フリーマガジン 『リセット』 で大人気連載中の会長執筆のコラムをご紹介いたします。


 女は熱湯で、男は冷水。 ほどよく混ざっていい温度。

 髪を洗っていて気が付いた。我が家だけのことだろうが、蛇口から出てくるお湯がちょうどいい具合にならない。

 大抵は「ウヘェッ、冷てえ」か「ウアッチッチッチ」である。ひどい時には、少しぬるめだが「ま、いいか」と思って頭にかけていると急に「ウアッチッチ」で、驚きのあまりシャワーを手放すと、シャワーは蛇のようにのたうち回って熱湯がお尻を攻撃してきたりするから始末に負えない。

 が、月のうち何度かはなぜかちょうどいい温度になって「なんだか幸せだなあ」気分を味わったりもする。これってよくよく考えてみると、女と男の関係そのもので、ちょうどいい温度になるには年季とコツが必要らしい。

 熱湯のように熱い女には冷水をかけつつ適温を保ち、氷のように冷たい女には熱く接して心を開いていくことである。

 以下の事実は、あくまでも私ではなく、友人のことではあるが、ひょいと浮気がばれて、エビフライやキャベツの千切りを頭からスッポリかぶったとしても、耐えに耐え抜かねばならない…そうだ。

 相手は熱湯であり、ヘタをすればお尻に蹴りが入る危険もあるのだ。しばらくすると心臓が凍り付くような冷水を幾度となく浴びせられるが、大好きな花や様々なプレゼントを用意して、なるべく早く適温の状態に戻すことに全力を尽くす…そうだ。

 これって髪を洗っている時、熱湯と冷水を交互に浴びているようなもので、まるで拷問ではないか。

 話を聞いただけでも友人が可哀想で可哀想で。おそらく友人は二度と浮気はいたしませんと深く反省しており、ほんの出来心なのでたいがいでもう許して下さい。いやあげなさい。再度念をおしときますが、私の事ではありませんから。ネッネッ。



 戻る