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女は男が想像している以上に体重を気にしているらしい。残念なことは、原因と結果の因果関係に全く気付いていないことである。数々の証拠を握っているが、まず体重を気にする割には、甘い物に目がなく、私の夕食を作り忘れても冷蔵庫のショートケーキが途切れることがないことだ。もっとも不思議なことは、愛妻が体重を計っている場面に遭遇したことがないことで、アメリカがビンラディンを捕獲するより困難であろう。ダイエット宣言は数10回聞かされはしたが、春の新弟子検査にはいずれ合格するだろう。
つい先日も、ホテルの食事がバイキングだった時には、恐ろしい光景を見た。並べてある料理のほとんどを皿に盛り付けるわけで、和食と洋食がミックスされたテーブルはさながら中華料理の満元全席のあり様であった。ご飯の横にはパンがあり、焼き魚の上にはローストビーフが乗っているという凄まじさで、ジャムは嫌いとあれほど言っていたのに、バターを塗った上にジャムをこすりつけていたのは、一体どういう意味があるのだろう。
全てをたいらげたと思ったら、フルーツ、ジュース、コーヒー、そしていよいよケーキである。つまり、先程までの食事は、全てアペリティフ(前菜)にすぎず、「これからが本番よ」には、思わず気を失いかけた。しかも食事が終われば、「元はとったみたい」である。ひょっとしたら料理の味や種類はどうでもよく、バイキングは大食い選手権と勘違いしているに違いない。
やっとの思いで部屋に戻れば、スカートのホックがブチッと音を立て、ベッドに倒れ込み「ああ、苦しい」なのだ。食事は楽しむものであると思っていたが、苦しむものとは新しい発見であった。 結果、風呂場にある我が家の体重計は、いつの間にか埃だらけになるか、この頃はどこを探しても見当たらないし、天真爛漫なパートナーを持つ私の体重は減り続け、おかげで無理のないダイエットをさせて頂いている。ありがとう。
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