フリーマガジン 『リセット』 で大人気連載中の会長執筆のコラムをご紹介いたします。


 女はすべてを知りたがり、男はすべてを隠したがる

 あのシャーロックホームズがいかに名探偵とはいえ、男を心底愛した女の推理力には到底かなわない。 鼻の穴が少し膨らんだといっては男の浮気を見破り、ほんの少し瞬きが早くなっただけで皿が飛んできたりする。しかもその皿はカレー皿がほとんどで、古伊万里の小皿などは決して飛んできたりはしない。

 瞬時のうちに原価計算をしている様は、久留米商人も裸足で逃げ出す。そんな時、男は逃亡者になる以外に生きる術はない。

 口だけで息をすることを覚え、瞬きに細心の注意を払うことが緊急の課題になる。しかしそれが一人前にできたとしても、決して油断してはならない。名探偵は誘導尋問の天才でもある。

 「本当のことを言ったら許してあげる」は「本当のことを言ったら首を絞めてあげる」ということが解らないで、スラスラと白状する男が後を絶たないのは残念であり、猛省を促したい?

 もうお解りだろうが、男と女の関係はガチンコであり、探偵と逃亡者の関係でもある。

 恋愛関係を長続きさせたいなら、決して捕まってはならない。

 が、万事休す・四面楚歌という重大な局面を迎えることがあれば、あぶら汗をぐっとこらえてTVのスイッチをつけることをおすすめする。

 たまたま放映されているモノがお笑い番組だったりすると、注意をそらすことができるし、探偵の好きな歌手なら自分の強運に心の中で手を合わせることになる。 恐ろしいことに、たまたまつけたTVドラマが不倫ものでベッドシーンの最中だったりした時は、背中を丸めて次に飛んでくる足ゲリに備える以外に生きる道はない。

 つまり、女には3種類しかない。「話せば解る女」「話しても解らない女」そして「話さなくても解る女」だ。

 筆者の敬愛する妻は「話す前に手が出る女」であることにようやく気がついた。



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