稀にではあるが、天野も良いことを言うことがある。フフッ。最近のヒットは、先月号で紹介したニューヨークタイムズで取材された時、言い放ったフレーズだ。それが今回のアマニズムのタイトルになっている。新!亭主関白への道は辛く、長い道のりだが全国で260人に増えた会員に少しでもヒントになってもらえれば幸せだ。


 妻は微笑みたいのです。そして、それが出来るのは夫だけなのです。

男のほとんどは子供の頃に「かぶと虫」を飼っていた。が、結婚して数年経つと「浮気虫」を飼うことになる。それでも可愛いほうである。問題は中年になり、オヤジになった頃に飼う虫だ。
 その名も「ニガ虫」。ご存知の方も多いだろうが、ニガ虫という位だから、苦いのなんの。噛めば、口は「へ」の字になる。
 雑踏を歩いてみるといい。すれ違うオヤジ達の口はみんなへの字である。あれは全てニガ虫のせいで、本人の意思ではない。大抵の場合、スーツのポケットに2、3匹飼っていて、若者に説教する前や、自宅に帰ってきて玄関に入る前などに口に放り込む。大急ぎでへの字口を作るのだ。
 笑わないこと、これがオヤジの一番の仕事だと錯覚する程で、それは奥様に伝染することになる。
 世の中は2007年問題(熟年離婚)で右往左往しているようで、エライ方々がその原因と対策を声高に叫んでいる。しかし全亭協は一貫して主張している。「ニガ虫をポケットから捨てなきゃ、何も始まらない」と。
 妻からある日突然、離婚届けを突きつけられ、慌てて入会してきたKさんに話を聞けば「私は妻も子供も本当に愛している」という。
 が、口を見ればすぐわかる。やっぱり「への字」である。ポケットをまさぐれば、ニガ虫だらけ。ご丁寧にニガ虫をすりつぶして、粉末にして持ち歩いているようだ。そんなオヤジ達もキャバクラなどへ行く時は、ドアの前でポケットからニガ虫を捨てて中に入って行く。
 ほら「全亭協が目指すのはその笑顔。その笑顔を奥様や子供さんの前で出すんですよ」これで一丁あがり。
 そう、家庭に一番不足しているのは会話と笑顔。700万人ともいわれる団塊の世代が一斉に退職する来年以降、朝から晩まで妻と顔を付き合わせることになる。難しい事など何にもない。「妻は微笑みたいのです。そしてそれが出来るのは夫だけなのです」テレビや講演会で天野が言ってはいるが、オヤジ達はおそらくその瞬間、ポケットからニガ虫を口に放り込み、噛んでいるだろう(笑)



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