 |
丸、2日間も食べていないのに空腹感もなく、さわやかな目覚めだった。 朝6時に起床して、座禅を2回すれば朝食だ。スクランブルは嫌いだから、目玉焼きにしてもらおう。最後の座禅では、食卓のブレックファーストがチラチラ頭をよぎって困った。
チーン、ポク。
終了の合図が耳に心地良かった。足早にテーブルにつく自分が、なんだか、かわいい。断食明けの朝食の説明だった。
「トイレが3つしかないので、二班に別れて8人ずつで朝食をとります」
心の中で、 「意味わかんなーい」今から楽しい食事が始まるのに、いきなり大便の話が長々と続くんだもの。
うんざりしかかったら、もっとうんざりする食べ物が出てきておどろいた。大根を輪切りにして煮ただけの鍋がテーブルの真ん中にデン。
「最初にどんぶりで水を1杯飲んで、次に大根の煮汁をどんぶりで4、5杯飲んで頂きます」
って「ちょっ、ちょっと待ってよ、聞いてないよー」状態である。ほら、これだけ食事を我慢したんだから、フレンチトーストと目玉焼きぐらいからいきましょうよ。心の中で叫んだがどうしようもなかった。テーブルの上は、もの凄く大きい梅干しと、大根の煮汁しか載ってないんだもん。こんな大きな梅干しが世の中にあるのかいな的ビックなヤツを煮汁に溶かして飲む。 「んー、まずい」
青汁が一番まずいと思っていたが、上には上があった。これを立て続けに5杯も飲めと言うのである。
宿便を出す、最後の試練という。この歳になるまで、腹にへばりついた様々な不純物が一掃される絶好の機会だ。健康のため、我慢して飲もう。
腹は固まった。いや、超ゆるゆるになった。約1時間かけてどんぶり5杯を飲みほし、その時を静かに待つ天野ではあった。
やはり対面は謎の美女。「ゴロ、ゴロ、ギュル、ギュル」このでかい音はカミナリか?いやあの美女から聞こえる。「んー、もう出ちゃう、お先にー」トイレに猛ダッシュしたのは、彼女だった。あとから走るのもなんだが、我慢できない状況だ。
あいやっひと足遅かった、トイレは3つとも満パイだ。やられたっ。
次回へつづく |
|
 |